私は母が熱心な新宗教信者という環境に生まれ、19歳で無信仰になりました。
それから10年近くが経った2018年10月、ついに両親に気持ちを打ち明け、両親の同意の上で宗教をやめられることになりました。
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一口に「宗教をやめたい」とは言っても、やめ方によってかかる時間や、後の心の負担が違ってきます。
大モメして絶縁してやめるのと、和解しつつも自分の権利を勝ち取るのとでは、大きな差があると思います。
この記事では、「宗教をやめたいけどやめられない」「宗教を抜けようと思っている」という二世以降の世代のあなたへ、私が事前に行った心構えについてお伝えします。
現状把握
「今すぐにでもやめたい!」「さっさと方法を書け!」という方には申し訳ありませんが、私は「何事も心構えと準備が大事」だと考えています。
特に宗教というデリケートな分野に属する問題ですので、計画なく感情だけで訴えても、一筋縄ではいかないと思うのです。
まずは、事前の心構えとして現状把握と未来予測することをおすすめします。
これによって覚悟が定まり、行動を起こしたときに「途中で自分が何をしたいのかわからなくなった」「やめられたけど、やっぱりやめなきゃよかった」「情にほだされて、また宗教をはじめたけど辛い」などの事態を防げる可能性があると、私は考えています。
最初に、現状をリストアップしてまとめてみました。
私の場合は、以下の項目を改めて確認しています。
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- 基本プロフィール
- 家族構成
- 家族の信仰の現状(信仰心の有無、活動の頻度、お互いの信仰心の把握など)
- 家族の宗教以外の現状(性格、家族間の人間関係、健康状態など)
- 家族の望み(宗教をやめたい、宗教活動をしてほしい、家族仲良くいたいなど)
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例えば、私がこれに当てはめて書いた場合、こんな感じになります。
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ににの現状
- 基本プロフィール
女、アラサー、未婚、一人暮らし、精神疾患(発達障がいも?)、作業所通い、月収約12万円(障害年金含む)、貯金ほぼゼロ
- 家族構成
父、母、一人娘(私)
- 家族の信仰の現状
私:宗教二世で無信心。活動は母の誘いを断れない時があり、月に1度。父が無信心であることを知っている。
母:宗教一世で熱心な信者。活動は週に2回以上。私と父が無信心であることは知らないはずだが、勘づいているかもしれない。
父:母と結婚する時に入信した宗教一世で無信心。活動はほぼゼロ。母の信仰は「趣味だから」というスタンスで静観している。私が無信心であることを知っている。
- 家族の宗教以外の現状
私:根は頑固でプライドが高く、視野が狭い。母の遠慮のない言動が遺伝し、気をつけてはいるが、特に母に対しては表に出てしまうこともある。体調に影響が出るほど、母の言動に苦手意識がある。精神疾患があり、体調と給料の変動がある時は、両親に助けてもらっている。
母:自称「裏表のない性格」であるが、家族への言動に遠慮がないことも多い。せっかちで、長い文章を飛ばし飛ばしで読んだり、私の発言を途中で遮ることが多い。大きな疾病はない。
父:とても温厚な性格だが、ごく稀に母の言葉に強い怒りを表す。娘の私を深く愛してくれている。治療できない難病を患っている。
- 家族の望み
私:宗教をやめたい。家族仲良くいたい。親孝行がしたい。
母:父の病気のため、家族全員で宗教活動に取り組みたい。家族仲良くいたい。
父:宗教活動はしたくない。家族仲良くいたい。娘の私に幸せでいてほしい。私の病気が寛解(ほぼ完治)するまでは、母に従うことを望む。
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これにより、自分の立ち位置や家族それぞれの思いをまとめることができ、思考が整理されました。
私の場合、事前にこのようにしっかりとリストアップしたわけではありません。
代わりに、Twitterを始めたときに呟いた自己紹介ツイートや、ブログのプロフィールページがその役目を果たしてくれました。
未来の予測
このような現状を把握したうえで、これから起こる可能性のある未来を、できる範囲で予測してみました。
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- 両親に思いを伝えない
- 両親に思いを伝える→説得に成功した場合・説得に失敗した場合
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私の場合、以下のようになります。
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ににの未来予測
- 両親に思いを伝えない
父と母の望みが叶う。私は病気が寛解するまで宗教活動を強いられるが、逆に宗教が原因で体調に問題が出ているため、一生抜け出せない可能性がある。
- 両親に思いを伝える
→説得に成功した場合
お互いの了承の上で宗教を抜けられるが、父と母の望み通りではなくなる。
退会直後は家族間で気まずい状態になり、家族全員の精神に負担がかかる可能性がある。
しかし、時間が経てばそれらの問題は解消されるかもしれない。
そうすれば、家族仲良く、宗教活動を強いられることもない、自分にとって最良の生活を送れる。
ただし、時間が経ってから母が改めて宗教の勧誘をしてくる可能性や、将来恋人に宗教に関する迷惑がかかる可能性に気を付けなければいけない。
もし時間の経過によって気まずい関係が解消されなかった場合、最悪一家離散も考えられる。
→説得に失敗した場合
許されなかった場合には、家族の望みより自分の体調を優先したいので、家族とは距離を置き、最悪絶縁する。
もし家族が無理やり会いに来るような場合には、引っ越しをする必要がある。
そのためのお金は今の自分には無いため、友達の家などの別の場所に避難することになり、作業所もやめることになる。
私は宗教から解放されるが、両親は辛い晩年を送ることになるだろう。
特に、私を深く愛している父にとっては最悪の結末になる。
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できるだけ、あらゆる可能性を考えてリストアップしてみることをおすすめします。
この準備が足りないと、説得の際に感じる不安が大きくなる可能性があります。
ちなみに私は「説得に成功したけど家族仲が悪くなる」という可能性を事前に想定できていなかったため、説得成功直後にとてつもない不安感が押し寄せてきました。
あらゆる可能性を考えたうえで、それでも思いを打ち明ける覚悟ができましたか?
この先、辛い未来が訪れても「自分が選んだことだから」と胸を張って言えそうですか?
覚悟ができたあなたへ
宗教二世にとって、両親に気持ちを伝えることは一世一代の大勝負です。
しっかりと覚悟を決めて、次のステップに移ることをおすすめします。
次回は、説得に移る前の準備について、私が実際に行ったことをお伝えします。
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コメント
コメント一覧 (2件)
いつもブログ、ツイッター拝見しております!
宗教から抜け出したいと思っており、どうやって親に伝えるか悩んでいます。そんなわたしにとってとても参考になる内容でした!
わたしは現状はかなり整理することは出来ていましたが、まだまだ伝えたあとどうなるか?という未来については整理出来ていませんでした。
もう少し時間があるので準備を入念にやってみようと思います。
ありがとうございました!
ゆっこ様
こちらこそ、お読みいただいた上にコメントもしていただき、誠にありがとうございます。
感情に支配されてむやみに行動をすると、後に後悔することになるかもしれないと思い、こういった記事を書いてみました。
ゆっこ様にはゆっこ様のご事情があることかと思います。このブログはあくまで私ひとりの経験談に基づくものなので、様々な情報を収集したうえで、ゆっこ様自身にとって一番いいと思える方法を選択していただければと思います。
お互い苦労はあるかと思いますが、一緒に頑張っていきましょう!応援しています!