Twitterでフォローしてくださっている皆様は既にご存知かと思いますが、2018年10月22日、両親に「宗教をやめさせて欲しい」という願いが書いてある手紙を渡しました。
その数時間後、母から「自分でよく考えたんだから、それでいいと思う。あなたの思うようにして。」と書いたメールが届きました。
宗教退会を両親が認めてくれたということになります。
喜ばしいことなのですが、なんとも複雑な心境です。
今回は、説得のきっかけになった出来事と、今の心境についてお伝えします。
説得のきっかけ
今までなかなか勇気が出なかった私が両親に思いを伝えようと決心できたのは、Twitterで出会った皆さんのおかげと言っても過言ではありません。
両親の言いなり
二世信者と一口には言っても、色々なケースがあります。
私の場合、母が私の生まれる前からの熱心な信者、父は無信仰で静観というケースです。
[st-card id=82 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]
父とはお互い無信仰であることを知っており、たまに母の宗教についての愚痴を言い合うこともありました。
しかし、父に宗教をやめたいと言っても「ににの病気のこともあるから、完全に自立できるまでは母の言うことを聞いておきなさい。」と言われていました。
Twitterで出会えた仲間たち
2018年春から、母は父の難病のために宗教活動をさらに活発化。
父は、私と母がケンカをすれば具合が悪くなる。
私さえ我慢すれば、家族は幸せでいられる。
そう思いながら我慢していたら、体調が悪化しました。
父のではなく、私の体調が。
宗教というデリケートな話題なので、相談できる人は周りにほとんどいませんでした。
数少ない身近な友達に相談をしたこともありましたが、あまりにも重い話題だからなのか、何とも言えない反応が返ってくるばかりでした。
そんな鬱憤を晴らすためにTwitterアカウントを作成し、宗教二世の方々との交流をはじめたのが2018年7月26日。
私の呟きを見て応援してくださるフォロワーの皆さんに、心が癒されました。
「それはおかしい」
Twitterで様々な方との交流をする中、実際にお話することができた方がいます。
生まれて初めて、宗教二世で無信仰の方の生の声を聞ける機会でした。
私が今まで教団内で出会ってきた宗教二世の方々は、皆その宗教を信じ、愛し、積極的に活動に取り組みながらキラキラしている方たちでした。
しかし、その方はそうではありません。
その方とは、お互いの境遇や、信仰していた宗教の教義についてなどをお話することができました。
そして、母の言うことを聞くよう父に言われていることをお話しした瞬間、その方ははっきりと強い口調でこう言いました。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=””]
それは絶対におかしいよ!もし自分が親だったら、考え方が違うってだけでこどもを助けないなんてことする?
[/st-mybox]
ハッとしました。
今まで周りにこの話をしても言葉を濁す人ばかりだったのに、その方は初めて話す私に「おかしい」と断言してくれたのです。
そして気づきました。
「もし自分が親だったら、自立していないからという理由で自分の言うことに従わせるなんておかしいと思うし、絶対にしたくない。母だけではなく父の考えもおかしいのではないか?」と。
これをきっかけにいつか宗教をやめると決心した私は、いつ行動に移すべきかと考えていました。
そして、9月6日に北海道胆振東部地震で被災。
その時に母からかけられた言葉が、宗教をやめたいという気持ちをさらに強めました。
[st-card id=1975 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]
それから約1か月半後の2018年10月22日、「宗教をやめたい」と書いてある手紙を両親に渡し、ふたりとも認めてくれました。
今の心境
[st-kaiwa1]説得に成功したら嬉しいな~最高だよな~!退会が決まったらケーキでも買ってお祝いしよっかな?[/st-kaiwa1]
と、手紙を渡した直後は緊張しながらもワクワクしていました。
しかし、母からメールで返事が返ってきた瞬間、様々な感情が私に一気に押し寄せてきました。
ついに解放される!
信じてもいない宗教の活動をさせられながら自分の時間を消費し続けていた私ですが、もうそんな必要はありません。
これからは自分が信じる自分を生きていくことができます。
新しい人生がスタートしたような気分です。
思わず「やった~!」と、漫画みたいに声に出して言ってしまいました。
もし宗教が本物だったら?
直後は喜んだ私ですが、急に大きな不安が津波のように私を襲いました。
生まれて間もない頃から教育されてきた宗教だったからなのか、今は完全に無信仰のはずなのに、信じていたころに聞いた教義が頭をよぎったのです。
[st-kaiwa1]もしこの宗教が真実だったら、家族は不幸になる?もしご先祖様が救われなくなったら?私の病気が悪化したら?本当にやめていいの?信者さんはいい人たちばっかりだったのに?[/st-kaiwa1]
母がかわいそう
母は私が宗教をやめることを悲しむでしょう。
一度、元恋人に辛い言葉を浴びせられながら説得されたことのある私は、母の辛さが手に取るように想像できます。
[st-card id=112 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]
母のショックができるだけ少なるよう配慮して手紙を書きましたが、ショックをゼロにすることは難しいでしょう。
父も母の誘いをできるだけ避けている状態なので、母の宗教活動は家族のいない孤独なものになります。
その辛さを思うと、涙があふれてきました。
私は親不孝者だな
そして、母だけでなく父の体調が悪化する可能性も考えられます。
同じ年代の人たちが心理的にも経済的にも完全に自立して親孝行をする中、私はそれも満足にできていません。
さらに今回、宗教をやめることで両親の理想を叶えてあげられなくなりました。
私は何て親不孝な娘だろうと考えてしまいます。
本当にこれで良かったの?
これから先、私たち家族がどうなっていくかは全く分かりません。
未来予知なんてできません。
これを機に家族が気まずくなるのは確実ですし、最悪一家離散なんてことも考えられます。
両親に手紙を渡す前は、説得に成功したら明るい未来だけが待っていると考えていました。
私は「宗教はやめられたけど不幸になる」というパターンをあまり深く想像できていなかったのです。
[st-kaiwa1]最悪の未来が訪れた時、私はそれでも自分を貫いた結果だと胸を張って生きていけるんだろうか?生きる希望のひとつを見失ってしまうのでは?私、本当にこれで良かったの?[/st-kaiwa1]
しばらくは後を引きそう
この後しばらく泣いて少し落ち着きましたが、まだしばらくはメンタルが不安定になりそうです。
実をいうと、この記事もちょっと泣きながら書いています。
しかし、この気持ちを忘れてしまわないうちに形に残すのは重要だと考え、むりやり記事作成を進めました。
この記事が、いつか誰かが「参考になった」と思えるようなものになっていれば幸いです。
両親を説得するために私が行った具体的な方法は、シリーズ「宗教二世信者をやめたいあなたへ」にてお伝えします。
[st-card id=487 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]
コメント