真如苑の元二世信者である私ですが、質問箱で頻繁にいただく質問があります。
「彼氏・彼女・恋人・好きな人・婚約者が真如苑の信者だとわかった。どうすればいい?」という質問です。以下がその例です。
大好きな彼が真如苑の2世信者です。
月一で帰苑している様子なので、かなり盲信していると思います。
少しは真如苑のことを理解したいと思って沢山調べましたが、どうしても理解できませんでした。
共感できる点がひとつもありません。
それどころか、真如霊界とか霊言などを信じていることにドン引きしてしまいました。
どうすれば良いのでしょうか?
引用元:質問箱
まず、お急ぎの方のために、私の考える結論から言います。
お互いの信仰の自由を認め合うことができなさそうであれば、お付き合いの継続は難しいです。
もし結婚まで行きついたとしても、相手方のご家族や子どもの信仰について、トラブルが発生する可能性があります。
……これだけでは納得できない方も多いと思います。
というわけで、どの信仰かを問わず、宗教の信者との恋愛や結婚について、元二世信者である私の考えを書いていこうと思います。
あくまで私の考えですので、参考程度に読んでください。
注意
この記事の内容は、あくまでブログ投稿者『にに』の一意見であり、インターネットの情報や憶測、ににの経験や感情から作成されています。
特定の宗教を誹謗中傷するために書いたものではありません。
また、この記事によって起きた損害などへの補償は出来かねます。
もし間違った情報が含まれていた場合には、コメントやお問い合わせ、Twitterなどからご連絡ください。
全てにご了承いただいた方のみ、続きをお読みください。
辛くなったら相談に来てください
いちばん最初にお伝えしたいことがあります。
得体のしれない宗教に愛するパートナーが入っていること、大きなショックを受けたかもしれません。
また、何かが少しでも変わればと藁にもすがる思いで、この記事に辿りついた方もいらっしゃると思います。
もし我慢できないほど辛くなり、周りの誰にも相談できなくなったら、この記事のコメント、このブログのお問い合わせ、Twitterなどにご相談に来てください。
私は当事者ではないので、具体的に対処できるわけではありませんが、あなたのお話を聞くだけならできます。
ただ、私は精神的・体力的にあまり強くない人間なので、相談に速やかにご返信をすることができない場合や、完全にお答えできなくなってしまう場合があります。
もしそれでもよろしければ、何らかの方法でメッセージをください。
また、Twitterには宗教を退会した方がたくさんいらっしゃいます。
お相手の方と同じ宗教を信仰していた方もいるかもしれません。
ぜひ、そういう方たちとも交流をなさってみてください。
あなたの心の苦しみが、少しでも軽くなることを願っています。
絶対にやってほしいこと
さて、ここからは具体的にどう対処していけばいいのか、私なりの考えを書いていきます。
相手の信仰心はどれくらい?
まず前提として、宗教の信者でもあまり信じていなかったり、やめたいと思っている場合があります。
熱心な真如苑の信者である母のもとに生まれた私が、実際にそうでした。
人付き合いで入信したけど、実はもうほとんど通ってない……通いたくないけど親に言われてしぶしぶ……。
この場合、あなたが一押しすれば、退会する勇気が出てくるかもしれません。
なので、まずは相手の方が「どれくらい信仰しているのか」を、質問したり様子を観察することで必ず確認してみてください。
これは絶対にやってほしいです。
もしあまり信じていなさそうであれば、お相手の方の気持ちに寄り添いながら、長期間(最低数か月はかかるくらいの覚悟で)対話を継続してみると良い気がします。
例えば、相手が「なんかこの宗教っておかしいよね」と言ってきたら、その宗教のおかしいと感じる点はどこなのか、聞いてみてください。
周りの関係のしがらみで抜け出せずに苦しんでいるのであれば、その環境から抜け出すためのお手伝いをしてほしいです。
時間をかける理由
宗教についての話ってそこそこ重労働なので、焦らずゆっくりと話し合っていった方が、信者さんはパニックになったり喧嘩になりづらいです。
結論を急ぐとトラブルになりかねません。
以下の記事は、実際に私がパニックに陥った例です。
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新宗教二世の私の信心が消えたきっかけ
私は幼少期から某新宗教を信じるよう教育されてきました。 しかし、19歳のときに、とあるきっかけがあって所属している宗教の教義を信じなくなりました。 この記事では ...
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相手の気持ちを確認する大切さ
たまに「とにかく恋人を宗教から退会させたいんだ!どうすればいい!? 」と焦っている方からご相談が来ます。
「お相手の方は宗教をどれくらい信仰しているんですか?」と質問しても、聞く気が無かったり、答えてくれない相談者さんです。
宗教で相手との関係が悪化しそうなことには同情しますが、宗教に関わらず、パートナーの気持ちを聞く気が無いという状態は、人間関係を悪化させる大きな要因になると思います。
もともと上手く行きそうなものも、このステップを省いては、上手く行かなくなると私は思いますよ。
そしてここからは、そうではなく「宗教を心の底から信じて、自分の意志で活動している方」や「親が宗教を信仰している家に生まれ、信仰せざるを得ない環境で育ち、実際に信じている方」がお相手という前提で書いていこうと思います。
宗教は心の奥深くに根差すもの
どんなに気の合う人間同士でも、理解しあえないものは、多かれ少なかれ必ず存在します。
それが些細な嗜好程度のものでしたら「あなたはこれが好きなのね。でも私は苦手だからやらないよ。」と認め合ったり、どちらかが妥協できるかもしれません。
大事なのは、いち人間にとって大きな存在となる宗教でもそれをできるか、ということだと思います。
宗教の教義の中には、信仰対象を崇める話の他にも、道徳的な話や、より良い生き方とは何かという話が結構多いです。
なので、小学生が学校の道徳の授業で習ったことを生活に活かすような感じで、宗教の信者は真面目であればあるほど、教義を生活の中に組み込みます。
こういった道徳的なものは、人間の心の中のかなり奥深くに根差すものになります。
特に、熱心な宗教の信者の子どもとして生まれた二世信者は、物心つかないような頃から宗教施設に通わされ、本人の意思に関係なく教義を学ばされます。
こうなると、心の中の相当深い部分に「宗教」というものは根差します。
この根本が違っている人同士が長く付き合っていくことって、すごく難しいことだと思うんです。
ただ、お相手の方は宗教を信仰して生きてきたからこそ、今あなたの目の前にいるのだと思いますよ。
その宗教も含めて人格が形成されてきて、あなたがいま愛しているお相手の方がいるのだと私は考えています。
お互いの信仰を認め合えるか
正直、宗教を信じていない人にとって、宗教で言われているような超常現象とか神様みたいなものって信じがたいですよね。
もう宗教をやめた私もそう思います。
信仰対象だった○○様や△△様も、今の私にはただのおじさんおばさんにしか見えないです。
でも、あなたの大切な人には、それがとても大切に思えるんです。
お相手の方にとっては宗教が心の支えであり、人生の指標です。
熱心な信者である私の母にとって、あのおじさんおばさんはとても大切な存在みたいです。
だからといって、あなたも好きな人の信仰を完璧に理解して、同じように信仰しなければいけないというわけではないです。
それが嫌だから私に質問してくれたんですよね。
「あなたはこの宗教が好きなのね。あなたはあなたの信じたいものを信じればいいと思う。でも私は苦手だからやらないよ。」と心の底から言えるかどうか。
そして、あなただけでなく、お相手の方も「私は宗教を信仰したいから、これからも続ける。でも、宗教が苦手なあなたを絶対に巻き込まないよ。」と言ってくれるかどうか。
お互いの信仰を否定せず認め合えるかどうかが、重要なのだと思います。
ただし、もしその宗教でお相手の方が借金などの大きな金銭トラブルを起こしている、犯罪を企てている、お相手の方の命が危ないなどの状況下では、宗教からお相手の方を遠ざける必要があります。
お相手の方のご両親、警察、医療・福祉機関等、しかるべき場所に速やかに相談してください。
相手の気持ちを変えようとするのは茨の道
「いやいや、相手のことは好きだけど、そんなわけのわからないもの認められない!とにかく宗教をやめさせたいんだ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
正直、お相手の方の宗教を認めたくないのでしたら、お別れすることをおすすめします。
個人的には「宗教を信じたい人は信じることを邪魔されず、信じたくない人は信仰を強要されない」というのが私の望む宗教のあり方なんです。
もし、これからもお付き合いを続けていこうと考えているのであれば、お相手の信仰を止めたり、無理やり退会させるようなことは起きてほしくないです。
宗教って、熱心に信じている人にとっては生きる支えになるんです。
それを無理やりやめさせることに成功したからといって、お相手の方の人生が必ず幸せになるとは限りません。
それに、人の道徳の根本を引っくり返すって、かなりの労力を使います。
しかも、それだけ頑張ったとしても、相手の考えを変えられるとは限らないと思います。
「性格の不一致」として、諦めて素直にお別れした方が、あなたもお相手も楽な気持ちになれるのでは、と私は考えます。
きっとまた、お互い素敵な人が現れますよ。世界には、まだまだたくさんの人がいますし。
「それでもどうにかやめさせたいんだ!」とお考えの方は、私がまだ宗教を信じていた頃に、恋人に宗教をやめるよう説得されたときの体験談のシリーズを読んでみてください。
ただ、本当におすすめしませんし、成功する確率はかなり低いです。やるなら年単位の超長期戦を覚悟してください。
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3分で読める「宗教の信者を説得したいあなたへ」まとめ
私は幼少期から某新宗教を信じるよう教育されてきましたが、元恋人に説得され、現在は信じていません。 この記事は、周りにいる宗教の信者を説得したいとお考えの方に向け ...
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そして逆に、何度断ってもお相手があなたに「入会しろ!」と迫ってくるような場合も、お別れした方がいいと思います。
その方と無理をして付き合っても、宗教以外でも様々なことを強要してくるタイプの方な気がするんですよね……。
宗教に関係なく、あんまりいい人だと思えません。
結婚で発生するかもしれないトラブル
ここまでで「認め合えれば一緒に居られるかも」ということを話してきましたが……。
結婚となると、精神論では済まされないトラブルが起きる可能性があります。
お互いの両親とのトラブル
例えば、もしお相手の方が二世信者である場合、お相手のご両親(またはどちらかの親)も宗教の信者でしょう。
もしお相手の方と分かり合えて、お相手が宗教を強制してくることは無かったとしても、ご両親はどうなるでしょう?
「結婚するからには入信してくれるんだよね?」「○○教の信者じゃない人との結婚は認めない!」と言ってくる可能性があります。
こういったトラブルが発生したときに、お相手の方はあなたを守ってくれるでしょうか?
こういう状況になって今さら「ごめん、やっぱり入信してくれないかな?」と手のひらを返されてしまっては困りますよね。
もしそうなってしまったら、離れることをおすすめします。
残酷ですが、きっとそれって、パートナーを愛し抜く覚悟を決められていないってことだと思うので……。
逆に、無信仰である側のご両親が「宗教をやってるようなやつとの結婚は認めない!」と言ってくるパターンも考えられます。
こうなってしまったとき、説得するか、無理やり結婚するか、結婚を諦めるか、相手に宗教を退会してもらうか……?
お子さんの宗教について
他にも、もしあなたとお相手との間にお子さんが生まれた場合。
子どもが生まれたら即入信させるのが当たり前になっている宗教って、結構あります。
「自分の子どもには良い人生を歩んでもらいたい……。自分はこの宗教に入信して幸せになったから、子どもも入信すれば、きっと良い人生を歩んでいくことだろう!」というのが、信者の心理だと思います。
でも、信者じゃない人からしてみれば、自分の子どもが言葉も何もわからないうちに宗教に入信させられるなんてありえない!と思ってしまいますよね。
事実、私も真如苑で名前を決められ、生まれてすぐ宗教に入信させられ、イヤイヤ宗教活動をさせられ、アラサーになってやっと退会することができました。
宗教って、それくらい人生を大きく左右するものです。
他にも様々なトラブルが
このように結婚とは、お互いの家族・親族が関わってくる出来事です。
上にあげたのはあくまでほんの一例で、他にも宗教に関する家庭のトラブルは結構ありがちです。
結婚前は互いの尊重で大体解決。
結婚するなら…親族の理解、挙式披露宴方法、冠婚葬祭の方式、医療での制限、2人の墓、子供の宗教、妊娠中の願掛けに分娩法や病院指定、初参りや七五三の可否、サンタを信じさせるか、学校学歴の制限…色々宗教絡みで問題に!
話し合い約束できる関係性は必須です!! https://t.co/ibujAhNJgE— ☀️睦輝☀️(むつき♀) (@o_muthuki) September 14, 2019
ツイート投稿者の睦輝さんは天理教の信者の方ですが、このツイートで挙げられた例の中には、天理教に限らないもの、天理教には当てはまらないものも含まれています。
もし宗教の信者さんと無信仰の方が結婚を検討するなら、こういったトラブルにどう対処するかを事前に話し合い、約束しておく必要があると思います。

私が考えるポイントまとめ
最後に、私の考えをまとめます。
信者との恋愛で大事なこと
- まず、相手の信仰心がどれくらい深いものなのかを確かめないと、話は始まらない。
- もし信仰心が弱いけど仕方なく宗教活動をしている場合は、長期間かけて対話を継続し、退会のサポートをすると良いかもしれない。
- 強い信仰心を持つ宗教の信者にとって、宗教は心の奥深くに根差すもの。信者は、信者だったからこそ今がある。
- 相手の宗教の教義に付き合ってあげることではなく、相手の信仰心をありのまま認められるかが重要。
- 信者側も、無信仰側が無信仰であることを認める言葉をかけてくれるかどうかがポイント。入信を強要してきたらお別れ推奨。
- ただし犯罪や大きなトラブルを引き起こしているなら話は別。相手のご両親や公的機関に相談を。
- 無理やり宗教をやめさせるのはかなり大変なので、認めたくないなら別れた方が手っ取り早い。
- 相手とわかりあえたとしても、結婚するとなると家族ぐるみの話になる。事前に入念な話し合いと相互理解が必要。
- 家族ぐるみのトラブルで相手が手のひらを返してきたら、逃げた方がいい。
- 世界にはたくさん人がいるので、もし別れることになっても、お互いにとってまた良い人が現れるはず。
- もし辛くなったら、このブログやTwitterで交流を持つと、少しだけでも気が楽になるかもしれない。
まとめのつもりが、かなり長くなってしまってすいません。
改めて言いますが、これらは全て私の中での考え方です。
恋愛は十人十色、方法や結果がどんな形であれ、相談者さんとお相手の方にとっての幸せが見つかるよう、応援しています。